今回のコラムは「就労継続支援B型事業所(以下B型事業所)」について!
障害を持っている方で働きたいという気持ちはあるものの、
・長時間働くのはつらいなぁ
・自分のペースで働きたい!
・毎日継続して通うのは辛いかもしれない…
等と思っている方に向いている事業所です。今回は利用方法や対象者、お給料は?などといったことについて書いていきます!
就労継続支援B型事業所ってどんな所?
B型事業所では比較的簡単な作業を短時間から始められます。
年齢制限もなく、体調や障害の症状に合わせて自分のペースで働くことができるのがメリットです。
収入は、雇用契約を結ばないため「給料」という形ではなく、生産物に対する対価として「工賃」という形で支払われます。
作業内容は、それぞれの事業所によって特色があります。
例えば、
・パンやクッキー等の調理
・清掃作業
・農作業
・喫茶店での接客
・衣類等のクリーニング
・WEBサイト制作
などといった幅広い作業内容があります。
平成29年度に厚生労働省が行った調査によると、B型事業所のひと月の賃金は平均15,603円となっています。
A型事業所に比べると、給料の金額がかなり低いです。理由としては、体調不良等により
長時間勤務が難しいことや、体力などの問題で継続しての出勤が難しい方もいることに
よると言えます。
どんな人が利用できるの?
利用対象者としては、精神・知的・身体・発達障害・難病の中の
・就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業での就労が困難な方
・50歳に達している方
・障害基礎年金1級を受給している方
・就労移行支援事業者などによるアセスメントで、就労面の課題が把握されている方
いずれかに該当している方が対象と言えます。
B型事業所では、障害者手帳がなくても働ける場合があります。
医師の診断書や、定期的な通院があれば働ける場合もありますので、障害者手帳がなくてもB型事業所に興味のある方はお住まいの地域の自治体などに問い合わせてみるのもいいかもしれません。
B型事業所が気になると思ったら、まずはWEBや市区町村窓口などで情報収集をし、色々なところで見学や体験をしてみるのもといいと思います。
それぞれ事業所によって特色等は違いますので、自分の特性や自分に合った作業内容がある事業所を探しましょう。
どうやって利用したらいいの?
通いたい事業所が決まったら、市区町村の障害者窓口(地域によって呼び名が異なる場合があります)にて申し込みを行います。
申し込みの際には、
どのサービスをどのように利用する意向があるのかをまとめた「サービス等利用計画案」を作成します。
それを提出すると、「受給者証」と呼ばれるものが発行され、B型事業所の利用が可能になります。
B型事業所を選ぶ際は、
・自分に合ったペースで仕事をさせてもらえるか
・作業内容は自分に合っているか
・スタッフや事業所の利用者の雰囲気はどうか
・働く施設の環境面はどうか
などを基準にして選ぶといいでしょう。
障害の程度が重い場合や難病の方などは、主治医に相談してみるのも一つの手です。
主治医は障害の程度・症状をよくわかっているため、事業所探しのアドバイスをしてくれると思います。
上のポイントをチェックしつつ、自分に合った事業所を見つけることができれば、「長く、安定して」働くことができると思います。
B型事業所で働き、スキルを身に付けることによって、一般就労へつなげることもできます。
就労継続支援B型事業所についてまとめ
障害を持っている方がいきなり一般就労をするのは、難しい部分もあります。
その為、B型事業所等を利用する事によって、まずは「働くこと」に慣れる。
そして、そこで仲間とのコミュニケーションのとり方を学んだり、自分に合った作業内容を見つけ、自信を身に付けていくことによって、B型事業所からA型事業所や就労移行支援にステップアップすることもできます。
そしてそこから一般就労を目指していくという道もあります。
今、働きたいけど障害のことで働くことを躊躇している方、又、毎日継続して仕事に行けるか悩んでいる方など、この「就労継続支援B型事業所」を利用してみてはいかがでしょうか。
このコラムを読んでいただいて、就労継続支援B型事業所について少しでも理解して頂けたら幸いです。
著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。