自立支援医療(精神通院医療)とは? メリットや申請方法など紹介!

自立支援医療

今回のコラムは「自立支援医療(精神通院医療)」についてです。k

皆さんはこの制度はご存じですか?こころの病などで精神科や心療内科に通うとなると、経済的な負担も大きくなってきますよね。

そこで知っていただきたいのが自立支援医療(精神通院医療)です。

自立支援を活用することによって、自己負担額が1割(または負担なし)になることもあるのです。

患者さんの経済的負担を減らしてくれるこの制度について解説していきたいと思います!

自立支援医療(精神通院医療)とは?

まず、自立支援医療には

精神通院医療
更生医療
育成医療

の3つがあります。

今回はその中で、精神通院医療について解説していきます。

精神通院医療は、すべての精神疾患を持つ人を対象に、通院によって

継続的な治療が必要な人が利用できる制度です。

この制度を使えば、通常3割負担の医療費を1割負担にまで減らすことができます。

(様々な要件等はあります)

また、自己負担に上限額が設けられるため、自立支援医療を使っている人は決められた

上限額以上の医療費は払わなくていいのです!(所得制限がありますのでご注意ください)

制度の対象となる医療としては、外来、外来での投薬、デイケア、訪問看護などがあります。

しかし、入院費や精神疾患・障害と関係のない医療費などは適用外となります。

また統合失調症や気分障害など、高額の医療費を払わなくてはならない方には「重度かつ継続」というものが適用されます。

これに該当する場合、区分が「一定所得以上」の場合も、上限額が設定されます。

「重度かつ継続」の条件は細かく設定されていますが、

例えば、
・高次機能障害、認知症など
・アルコール依存症、薬物依存症など
・統合失調症、統合失調型障害及び妄想性障害

などといった疾患が対象となっています。

詳しくは割愛させていただきますが、長期に渡って治療を受けると、医療費も膨大と

なってくるため、この制度を使えば経済的にもかなり助かると思います。

筆者自身も統合失調症患者で病歴が長い為、この「重度かつ継続」の対象者です。

病歴は15年以上なので、この制度を知らなかったらかなりの医療費が必要でした。

しかし、自立支援医療を知ったことによって、診療費や薬剤費がとても助かりました。

申請方法や必要な書類など紹介!

まず、市区町村の窓口(障害福祉課など、名称は異なります)に行き、申請書に

必要事項を記入します。

申請書は、市区町村の窓口に置いてある場合が多いと思います。

主治医には、自立支援医療申請用の診断書を書いてもらいます。

自立支援医療申請のためには主治医の診断書が必要となってきますが、それが出来上がるまでには時間がかかる場合もあります。なので、余裕をもって主治医に「自立支援医療を申請する」という旨を伝えておいたほうがいいでしょう。

その他必要な書類を揃えたら、いざ申請です。

この申請が通れば、「受給者証」が手元に届きます。それをもって医療機関に行って、受付に提示すると、医療費が減額されることになります。

申請から受給者証が届くまで、約1か月ほどかかります。(地域によって異なります)

その間に診察を受けたりして医療費が発生した場合は、必要な書類を揃え、払い戻しの手続きを医療機関又は役所で行うことによって、医療費が戻ってきます。

注意する点は、自立支援医療(精神通院医療)は、1年ごとの更新制となっている事です。

更新に必要な書類は最初の申請の時とほぼ変わりませんが、原則として2年に1度医師の診断書が必要となります

「更新するのを忘れそう!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、病院側から自立支援医療の期限が切れる、という通知をしてくれる場合もあります。

筆者が通っている病院では、自立支援の更新時期が近付くと、受付窓口でその旨を知らせてくれます。(病院によって異なりますのでご注意ください)

もし更新を忘れてしまったら?

しかし!もし更新を忘れてしまった場合、「再開申請」の手続きが必要となります。

再開申請をする際は、必ず医師の診断書が必要です。

しかも、期限切れから再開までの間に診察に行った際の負担は3割となります。さらに、遡って医療費の払い戻しを受けることはできないため、できる限り更新の手続きは忘れずにしておきましょう!

精神障害は、継続して通院することが必要な場合が多いです。

お金の不安だけでも軽減できれば、治療に専念できると思います。

利用をお考えの方は、まずは主治医に相談してみてはいかがでしょうか?

このコラムで、自立支援制度のことを少しでも知って頂ければ幸いです。

著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。