子どものうつ病!?~原因や周りの接し方などを解説!~

うつ病

みなさんは、子どもにも「うつ病」が起こりうる、ということはご存じですか?

大人と同じように、子どもも学校や、友人関係の悩みやいじめ体験、家族関係のストレスなどから、うつ病になってしまうこともあるのです!

「子どもなんだからうつ病になんてならない」と思っている方は大間違い!

最悪の事態に陥ることだってありえます。

そんな「子どものうつ病」について書いていこうと思います。

気づいて!子どものこころの異変

子どものうつ病は、身体の症状からわかってくる場合も多くあります。子どもは自分の気持ちを言葉で表現するのが難しいことがあるので、周りが不調に気づいてあげることが大切です。

子どものうつ病の始まりには、いわゆる「思春期」の問題行動と似た症状がみられることがありますが、それを放っておくと重症化してしまう可能性があるため、注意が必要です。

例えば、こんな症状が2週間以上あると要注意です。

・食欲が落ちた、体重が激減した
・夜眠れない、途中で起きてしまう、朝起きられない
・笑顔がなくなった
・やる気、意欲の低下
・部屋に引きこもってしまうようになった
・自分を責めることが多くなった

などです。

ここに挙げたのは一例ですが、いくつか当てはまるようであれば、それは子どもの「うつ病」かもしれません。

明らかにおかしいと思ったら・・・。

子どもの様子を見ていて、「子どもの様子がおかしいな」と思ったら、思春期外来や精神科、心療内科などの専門機関を訪れるのも一つの手です。

もし受診する場合は、子どもの症状についてメモしていくと、診察の際、医師に子どもの症状などを聞かれたときに話しやすいと思います。

もし、専門機関で「うつ病」だと言われたら、医師の指示のもと、適切な対応をとっていくことが必要です。

また、最初から精神科の思春期外来などに行くのに抵抗がある場合は、学校のスクールカウンセラーや保健所にいる保険医に相談するのもいいと思います。

うつ病は早期発見、早期治療をすれば早期回復につながります。

少しでも「おかしいぞ」と思ったら、専門機関やスクールカウンセラーなどの社会資源を利用してみてください。

一番つらいのは子ども自身

ここからは、子どもと接するときに大切にしてほしいことを書いていきます。

まず、「頑張れ」とは絶対に言わないでください。本人が一番、頑張らなければいけないことはわかっています。しかし、それをするだけの元気が失われているのです。

それなのに、親などから「頑張れ」と言われる子どもの辛さは想像を絶するものです。

ありのままの本人を認めてあげてください

学校復帰だけがゴールじゃない

例えば学校に行けなくても、「今は充電の時期なんだ」と理解してあげることが大切です。

学校で何かあって行きたくないのかもしれないし、こころがしんどくて学校に行くだけの気力がないのかもしれません。

また、保護者が極端に過保護・過干渉になったりすると、子どものこころは余計に落ち着かなくなってしまいます。

そこで大切なのが、〝いつも通り接する事〟です。

また、規則正しい生活を送ることも治療の一つです。朝はきちんと起きて、朝日を浴び、日中は本人のできることを本人のペースでやる。

そして、決まった時間に食事をとり、夜はきちんと眠る。

このようにして体の健康を保つことも、こころの健康に良い影響を及ぼします。

本人がある程度回復してきたら、少しずつできることを増やしましょう。例えば、家族が一緒に近所を散歩する、一緒に料理を作ってみる。

そして医師の許可が出て、子どもが「学校に行ってみたい」と言えるようになったら、学校復帰の準備段階です。

もし子供が学校に復帰できそうなら、医療機関と学校、そして子ども保護者が集まって、「どうしたらその子にとって有意義な学校生活が送れるか」「どうしたら無理なく登校を再開できるか」などについて話し合う場を設けられたらいいと思います。

しかし学校に復帰するだけがその子のためになる訳ではありません

例えばフリースクールや適応教室などを利用して、様々な体験をする中で、仲間を見つけていくのもいいでしょう。

学校に行くにしても、それ以外の社会資源を利用するにしても、その子に合った生活スタイルを色々と探していくことが必要となります。

常に子どもの側で見守って

最後に、家族には子どもにとってのこころの安全基地のような存在になって欲しいと思います。

家庭が円満で、ホッとするような雰囲気であれば、子どもも安心して過ごせます。何かあっても、家族が味方でいてくれる。それはとても心強いことです。

家庭が穏やかで、温かい雰囲気に包まれていれば、子どもの疲れ切ったこころもだんだん癒されていくと思います。

うつ病を患った子ども(うつ病でなくともこころが不安定な子などにも)には、周りの大人が適切なケアを行うと同時に、子どもの周りの環境調整を行っていくことも大切となります。

子どもが、こころ穏やかに、また健やかに過ごせる環境を整えることで、こころの傷は修復されていくのです。

子どもの健やかな笑顔が戻るまで、家族や周りの人たちには温かい目でその子を見守ってあげて欲しいと思います。

著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。