摂食障害 過食症~止まらない食欲と当事者の悩み~

摂食障害

前回は摂食障害の中の「拒食症」について書きましたが、今回は

過食症」について解説します!

過食症に必ず見られるのが〝食べ過ぎ〟です。自分の意思で行っている場合も、自分では食欲をコントロールできない場合もあります。

過食症」に加えて「むちゃ食い障害」についても解説しておりますので、

興味のある方はご覧ください。

食べたいけど太りたくない!過食症とは?

まず、必ず見られるのが〝食べ過ぎ〟です。過食症の人によく見られる食べ方として、〝大量の食べ物を一気に押し込むようにして食べる〟という食べ方があります。

「自分の意志で食べるのをやめられるのでは?」と思われがちですが、ほとんどの場合、自分の力では止めることができないことが多いです。

そして、過食症にも様々な分類があります。

目いっぱい食べてしまった後で食べた物を吐いてしまう「過食嘔吐」が見られる場合と、それが見られず、ただ食べ物をむちゃ食いするだけで食べ物の排出行為(自己誘発嘔吐・下剤乱用など)はしない、ただ「大量に食べるだけ」の場合が見られます。

過食嘔吐がある場合では、食べてしまった後、太ることを抑えるために自己誘発嘔吐(自分で指を突っ込んで吐く事)を行ってしまうのです。

しかも、これが癖になると「食べても吐き出してしまえばいい」という軽い気持ちが出てしまい、頻繁な大食いと排出行為が行われることになります。

食べたくないのにやめられない!?~コントロールできない食欲~

こんなことをしていれば体の調子が崩れるのも当然です。過食・排出行為は胃酸で食道が荒れてしまいますし、さらに胃酸によって歯がボロボロになってしまうこともあるのです。

自己誘発嘔吐や下剤を使用しないタイプでも、食欲のコントロールを自分で行うことができなくなり、「もう食べるのは嫌だ!」と心が悲鳴を上げても食べることをやめられないのです。

その裏にはなにか心理的なストレスがあったり、人には相談できない悩みを抱えていることもあります。

下剤や自己誘発嘔吐を行わないため、「食べる」ことに走ってしまうと体型の変化や体重の増加が見られます。そこで当然周囲も本人の体型・体重の変化に気づきます。

過食症の仲間なの?〝むちゃ食い障害〟とは

最近では、過食症に似た「むちゃ食い障害」という障害が注目を集めるようになりました。

一般的に「過食症」と呼ばれるもののうち

〝体型等には特にこだわりは見られないものの、過食・食べ物へのこだわりはある〟

といった障害のことです。

過食症のように目の前にある食べ物を食べつくしてしまうのです。

しかし、むちゃ食い障害では体型のことをあまり気にしない人が多いので、どちらかというと肥満体型の人が多くみられます。

むちゃ食い障害の人の特徴としては

・衝動的に食事の時間以外にでも食べてしまう
・目の前に食べ物があると我慢できず食べてしまう
・食べるものにお金をかけすぎて経済的に困ってしまう
・食べるものの内容や量が自己コントロールできない
・いつも食べ物のことを考えてしまう
・普通の人より食事を食べるスピードが速い
・食べるものがなければ、買いに行ってでも食べ物を手に入れる
・精神的、肉体的な苦痛を伴う
・異常に食べ過ぎているのではないかと悩んでいる

などがあります。

むちゃ食い障害の中には、確かに体型等を気にしない人もいますが、中には

食べ過ぎてしまったから痩せなきゃ」
「太っている自分は醜い」
「まわりから体型のことで馬鹿にされているのではないか」

という思いを持つ人もいます。そういった人は、自己誘発嘔吐(自分で指を突っ込んで吐く)や下剤の乱用、過激な運動等によってとにかく食べ物をからだから排出しようとします。

「食べたいけど痩せたい」

そんな矛盾した思いから、食べる・排出するを繰り返すのです。そんな葛藤から心が疲れてくると、うつ病等の精神疾患を併発する可能性もあります。

体も心もむしばむ病気 ~摂食障害の怖さ~

摂食障害のうつ病の始まりも、自分の体型への自信のなさや、食べてしまった後の罪悪感から始まる傾向が多くみられます。

食べてしまった罪悪感から意欲もなくなり、学校にも、会社にも行けない状態になる可能性もあるのです。そうすると、またそのストレスから食べ過ぎてしまい、太る……。

体だけでなく心もむしばんでしまう、それが摂食障害の怖さです。

そんな摂食障害にならないためにも、どのようなことに気をつけたらいいか、また、もしなってしまったときにはどういった対処方法があるのかを次の章で書いていきたいと思います。

著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。