精神保健福祉士ってどんな人?~役割から資格の取り方まで紹介~

ソーシャルワーカー

皆さんは、「精神保健福祉士」というと、どのような職業を思い浮かべますか?

精神保健福祉士は、「精神保健福祉法」に基づく国家資格です。通称「PSW」とも呼ばれます。

主に精神科病院などで、精神障害がある方の支援をしたり、いろいろな手続きのお手伝いをしてくれたり、必要な時には相談にも乗ってくれる強い味方です。

そんな精神保健福祉士について書いていきます!

精神保健福祉士ってどんなことをする人なの?

主な精神保健福祉士の仕事内容としては、病院などで精神障害者の生活支援に関して、専門的な技術・知識を用いて対応したり、また入退院の手続きを行います

最近では人権擁護の面から入院が適切に行われているかをチェックする役目も担っています。

私が働いている就労継続支援A型事業所にも精神保健福祉士の方がいます。役割としては、作業の見守り・声掛け、利用者の相談に乗る、作業に対してや日常生活、また利用者が事業所で過ごしやすいように環境調整をすることなどと言えるでしょうか。

このようにして相談者の周りの環境調整をしたり、社会資源(施設・サービス)を有効活用して、相談者が日常生活や社会生活を送りやすいようにサポートしていく、というのが主な役割と言えると思います。

同じような資格に「社会福祉士」がありますが、大きな違いとしては、支援の対象です。

精神保健福祉士の支援対象は精神障害者のみですが、社会福祉士の支援対象は精神障害者だけでなく、高齢者、身体、知的障害者など全般にわたります。

2つの資格には支援対象の違いはあるものの、受験科目がかぶっているところも多々あるので、2つの資格を同時に取得する人もいます。

資格取得は難しい?受験資格と筆者の体験

精神保健福祉士になるには、「財団法人社会福祉振興・試験センター」が実施する試験に合格する必要があります。試験の合格率としては大体6割程度で、そこまで難しい試験ではありません。

受験科目は全17科目あり、もし1科目でも0点を取ってしまったら、その時点で不合格となってしまいます。それに加えて、合格基準としては、全科目の総得点の合計での正答率が60%程度であることがいえます。

筆者も、福祉系の大学に進学し、社会福祉士と共にこの精神保健福祉士の試験を受験しました。

筆者の通っていた大学では、社会福祉士・精神保健福祉士を目指す学生の為の勉強会があり、そこに参加し勉強を進めていきました。

私が行っていた勉強法としては、とにかく過去問を解くことと、法律などに関しては常に最新のものを頭に入れておくことです。過去問を繰り返し解くことによって、出題の傾向が分かってきます。

資格を取得したい!どんな要件があるの?

少し例を挙げてみますと、

・4年制大学で指定科目を修めて卒業した者
・2年制(又は3年制)短期大学等で指定科目を修めて卒業し、指定施設において
 2年以上(又は1年以上)相談援助の業務に従事した者

などがあります。詳細は割愛させていただきますが、ルートは11通りあります。

そして、試験に合格したときに、忘れてはいけないのが「登録」をすること。

国家試験に合格しただけでは精神保健福祉士として働くことはできません。精神保健福祉士登録簿に氏名等を登録し、登録証を受け取る必要があります。

登録がすんだら、晴れて精神保健福祉士として羽ばたくことができます。

理想の精神保健福祉士を目指して

働く場所によっても仕事内容は異なってきますが、精神保健福祉士には、社会と精神障害者のコーディネーターのような役割が求められています。

ストレス社会である現代、活躍する場は医療現場にとどまらず、教育現場、生活支援サービス、行政機関、司法施設など多岐にわたっています。

精神的な問題がある方のサポートは、精神保健福祉士でなくともできるかもしれません。

しかし、専門的な知識を用いて、談者の何気ないしぐさや表情から変化を読み取ったりして、問題解決の糸口を探していくことは専門職としての視点からでなければできません。

精神保健福祉士は、これからも活躍の場が広がると思われる資格です。精神保健分野に興味のある方には、ぜひ取得をおすすめします。

もち猫も、将来自分の持っている社会福祉士・精神保健福祉士の資格を利用して、当事者ワーカーとして働くのが目標です。

精神保健分野に興味がある方はぜひ資格取得を考えてみてはいかがでしょうか?

もち猫と一緒に「理想の精神保健福祉士」を目指しましょう!

著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。