増える不登校~不登校児への親の関わり方~では、「不登校児への親の対応」を見てきました。
一度不登校になってしまうと、早期の学校復帰は難しいものがあります。
しかし、長い時間をかければ復学できる子もいたり、復学以外にも「高認(高校卒業程度認定試験)」を活用して大学へ進学できる子もいます。
また、教室には行けなくても相談室や保健室といった別室登校を考えてみるのも一つの手です。そして、フリースクールという手もあります。
そこで、今回は学校復帰のプランだけでなく、それ以外にどういった進路があるのかを見ていきます!
学校には行けるのだけど・・・。
<保健室、相談室登校>
学校には行けても、教室には怖くて入れない子向けの方法です。
著者も不登校経験者ですが、相談室登校をすることによってだんだん学校という環境に慣れていきました。
例えば、朝は保健室や相談室に行き、そこから授業に出る、という手もありますし、1日を相談室や保健室で過ごすというやり方もあります。
私の場合、まずは相談室に登校。
そして、出られる授業には参加し、それ以外の時間は相談室で自習をしたり、相談室の先生やスクールカウンセラーさんとレクリエーションを行ったりしていました。
帰る時間は、同級生の子たちが終礼を行っている最中でした。下校時間がほかの子と被らないようにするためです。(同級生に見つかるのが怖かったため)
先生方の配慮で、少しだけ早めの帰宅が許されていたのです。
このように、子どもに合わせて、「○○の授業は出る」「この時間は相談室(保健室)で過ごす」
というように、臨機応変に対応を変えていくことが大切です。学校側とよく相談し、その子に合った方法を考えましょう。
学校復帰を目指しているのなら、子どもができる範囲のことからその子のペースで始めていくことが大切です。
学校復帰だけが正解じゃない!
<フリースクール>
不登校になってしまうと、すぐに学校に復帰できる、という子はあまり多くありません。中には、
「もう二度と学校には行きたくない!」
という子もいるかもしれません。
そのような子のために、「フリースクール」というものがあります。
フリースクールとは、いじめや不登校、家庭環境の問題などで学校に通えなくなってしまった子が利用できる民間の施設です。
また、発達障害や知的障害の子どもに特化したフリースクールも地域によっては存在します。そして、その施設それぞれ個性あるプランが用意されています。
例えば、
1.学校復帰支援型
2.自宅訪問型
3.非日常体験型
などがあります。
<学校復帰支援型>
学校復帰を目標にしたフリースクールです。
規則正しい生活リズムを作るために、週5日、きちっとしたカリキュラムをこなしながら過ごします。
<自宅訪問型>
外出することが難しく、自宅やその近くで教育や相談支援を受けたい子向けのフリースクールです。家に閉じこもっていた期間が長い子でも、自宅等での学習なら安心感があると思います。
また、スタッフと一対一で過ごすことによって、信頼関係が生まれる場合もあります。
「家族以外の人と信頼関係を築く」事も、とても大事です。他者を信じられるようになれば、人間関係にも自然と良い変化がみられると思います。
<非日常体験型>
レジャーや課外活動など、非日常的な体験ができるフリースクールです。
もちろん学習面もサポートされますが、コミュニケーションや集団行動によって、自然と「人と関わる」ことが学べるのが特徴です。
「自分はどうしたい?」子どもの希望を取り入れた進路
そのほかにも様々なカリキュラムが組まれたフリースクールが存在しますが、通う所を選ぶ際、主体は子どもだということを忘れてはいけません。
親が勝手に選んでも、それが子どもにとってプラスになるかどうかはわかりません。
フリースクール以外にも適応教室やサポート校などもありますが、今回は割愛させていただきます。
<定時制/通信制高校>
小・中学校と不登校だと、全日制の高校に挑戦するのは難しいものがあるかもしれません。
そこで、
1.定時制高校
2.通信制高校
を選ぶのも一つの手です。
<定時制高校>
主に夜間に授業を行いますが、朝や昼に活動している学校も多々あります。自分が勉強に集中しやすい時間帯を選べるのがメリット!
授業時間が少ないので、自由な時間も増えます。自分の好きなこと、やりたいことに時間を活用したり、アルバイトなどに挑戦するのも社会性を養う為にも有効です。
<通信制高校>
通信制高校では、月に2~10回のスクーリング(通学し、授業を受けること)とレポート提出、テスト等があります。(学校によって頻度や内容などは異なります)
自分のペースで勉強をしたい子や、あまり人と接することが得意ではなく、「毎日学校に通う」というのが難しい子に向いていると思います。
進む高校を決める際も、
「あくまでも決めるのは子ども自身」
ということを理解しておかなければなりません。
親の意見を押し付けても、子どもがそれに納得しなければ、悪循環を繰り返すだけです。
子どもの意見を尊重してあげてください。子どもの主体性を尊重して、その子が進む道を決めていきましょう。
子どもの可能性を信じてあげてください。
著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。