不登校児の進路は「復学」だけじゃない!~幅広い進路選択を~

不登校

筆者は小・中学校といじめが原因で、不登校児でした。
途中から相談室に通えるようになりましたが、中学校はほとんど教室に行かない状態のまま卒業しました。

普通科高校に合格するものの、集団生活に馴染めず1年間で退学してしまいます。しかし「高校卒業程度認定試験(以下、高認)」を利用し、大学進学を果たします。

そこで夢であった精神保健福祉士・社会福祉士の資格を取得することもできました。

不登校児であった私が利用した高認の制度や、普通科高校以外の定時制・通信制高校のメリット、デメリットなどもまとめましたので、これからの進路に悩んでいる学生の方や周囲の方に読んで頂ければと思います。

■高認ってどういうもの?

高認とは、文部科学省が実施する「高校卒業程度認定試験」(8月・11月に実施)に合格することによって‶高等学校を卒業したものと同等の学力があるか〟を確認するためのものです。

しかし、高認に合格したからといって高卒の資格が得られるわけではないのが注意点です。

あくまでも‶高等学校を卒業したものと同等の学力があるか〟を調べるものですので、高認を取得しただけでは最終学歴は中卒となってしまいます。

前述のような学力があると証明することによって、大学や短大、専門学校、公務員試験、国家試験などを受験する資格を得られるものなのです。

対象者としては

高認を受験する年度の3月31日までに満16歳になる人

とされています。つまり高校1年生と同じ年齢以上の人が対象となります。また、高校に在学中の生徒も受験可能です。受験して合格した際の効力は18歳から生じます。

全日制の高校に通っている人で「単位が取れるか危うい」「留年・中退が迫っている」などの理由で高認を受験し、単位を得ることもできます。

しかし、高認に合格しても学校長が全日制の単位として認めるかどうかによって可否は変わってきます。

高認を合格して得た単位を全日制の単位として認めるかどうかは学校長の判断にゆだねられているため、もし「高認で単位を補填しよう」と思われた方は高認の単位が認められるかどうかを教師などに確認してから受験するといいと思います。

★高認を受験するには何が必要?★

高認を受験するにあたっては、次のようなものが必要となってきます

・受験願書、履歴書
・受験料(受験する科目数によって額が変わります)
・住民票1通
・写真2枚(4㎝×3㎝)
・試験科目の一部免除を申請するための書類(※免除を申請する場合のみ)
・科目合格通知書(※以前受検して合格科目がある場合のみ)
・出願用封筒
・特別措置申請書(身体障害があるなど特別な配慮を必要とする場合のみ)

この様な感じです。

高認の受験料は、収入印紙を購入して願書に張り付けることとなっています。自分が受ける科目数によって額が変わってくるので、しっかり確認して貼り付けましょう。

7科目以上受検する場合は8,500円、4科目以上6科目以下の場合は6,500円、3科目以下の場合は4,500円です。

★高認を受けるメリットは?★

1.勉強スタイルが自由

全日制の高校では3年間通わないと高卒の試験が得られませんが、高認の資格を取得する場合は学校に通う必要もありません。

もちろん高認専門の予備校などはありますので、そういった所に通って仲間と一緒に勉強するというスタイルもあります。

筆者も高認専門予備校に通い、そこで試験対策の勉強をしながら高認取得を目指しました。

しかし基本的には自分のやりたい所でやりたいように勉強を進めていけるので、時間割などに縛られることなく自分の苦手分野を中心に勉強をしていくことも可能です。

「人が多いところでは集中できない」「不登校の経験があり学校のようなところは苦手」といった人は自分で計画を立てつつ勉強を進めていけますし、合格まで自宅で勉強するという手もありますので、これはメリットだと思います。

2.合格基準が低い

高認の合格点は100点中40点です。レベルも中学から高1レベルとされているので、そこまで難しいものではありません。

範囲が広いため浅く広く勉強する必要がありますが、それぞれ50点程度を目指していけば合格できる可能性も高いと言えます。

仕事をしながら勉強をしている人などにはハードルが高いかもしれませんが、勉強に集中できる環境にいる人ならば一発で全科目合格などということも可能です。

もし一発で合格できなくても、一度合格した科目は次に受験する時には免除科目とされるため、再度勉強し直す必要もありません。

そのため一発で全科目合格を目指すも良し、科目ごとに確実に合格を狙っていくも良しです。

3.短期間での合格が狙える

例えば16歳で全科目を一発で合格してしまえば、目指している大学や短大などの受験勉強に2年かけることができます。

全日制に通っていた場合3年間は在籍しなくてはならないため、受験勉強に集中して取り組めるのは2、3年生になってからという場合が多いです。

そのため、高認を16歳で取得してしまえば全日制の学校よりも受験勉強への比重が置けますし、大学に合格して卒業できれば「大卒」という肩書を得ることができます。

もしスピーディーに大学などへの受験勉強を始めたい、と言う場合には高認の制度を利用することもお勧めです。

★高認のデメリット★

1.高認に合格しただけでは「中卒」のまま

前述しましたが、高認の試験に合格しただけでは最終学歴は「中卒」のままです。

また、大学などに入っても中退したり何らかの理由で卒業できなかった場合も「中卒」のままになってしまいます。

そのため、もし「高卒」の資格が必要な場合は以下に紹介する定時制高校や通信制高校などに通うのも一つの手です。

2.独学での勉強は挫折してしまう場合も

全日制の高校などでは、勉強をしなければ先生に怒られますし、友達とテスト勉強をしてわからないことを教え合うなどということもできますが、高認を独学で勉強しようとしても褒められも怒られもしません。

それがモチベーションの低下となってなかなか勉強が進まないという人もいるようです。

そういった場合は高認の予備校やサポート校に通われることをお勧めします。

高認の予備校やサポート校では学校のように大人数で勉強するわけではなく、一人ひとりの事情に合わせて少人数でカリキュラムを進めていくところが多いです。

「自分だけでは怠けてしまう」「モチベーションが上がらない」といった場合は、学費はかかってしまいますが予備校などに通われるといいと思います。

筆者が通っていた予備校ではアットホームな雰囲気で、授業の内容も一人ひとりに合ったレベルを選べるというものでした。

また自習室もあったため、そこで過去問を解いたりしていました。わからないところは先生に質問をしに行き、勉強に励むことができました。

前述したメリットやデメリットも含めて高認の制度を利用するかどうかを考えてみてください。

■定時制高校ってどんなどころ?


定時制高校では、全日制の高校がフルタイムで授業があるのに対し、1日4時間程度の授業しかないというのが一般的です(3年間で卒業しようと思うともっと多くなります)

もしかしたら「定時制は働きながら通学する人のための学校」と思われる方もいるかもしれませんが、今は多様な人たちが通う学校となっています。

授業の時間帯は

・夜に授業を行う「夜間定時制」
・朝と昼の時間に授業を行う「昼間二部定時制」
・朝、昼、夜に授業を行う「三部制」

の3タイプがあります。

それぞれ自分に合った時間帯に授業を受けられるため、朝から夕方まで授業を行う全日制よりは時間に融通が利きます。

そのため、例えば夜間定時制を選択して昼間はアルバイトや仕事をしたり自分の趣味の時間に充てるということもできるのです。

また将来の夢に向けてのレッスンや、就きたい職業の専門学校に通ったりと自分の将来についてのスキルアップに時間を使うこともできます。

また、前述しましたが全員が同い年ということはあまりありません。不登校だった人や、すでに就職している人、高校中退者など様々な理由を抱えた生徒が同じ教室で授業を受けることになります。

そのため、幅広い年齢層・様々な事情を抱えた人たちがいると言えます

そういった点では通信制にも似ているところがあるかもしれませんね。

★学年制と単位制★

定時制高校には学年制と単位制の2種類があります

学年制は、授業を行う時間以外は全日制と同じようなものです。

毎日決まった時間に通学し、学校が決めた時間割通りに授業を受けることとなります(卒業までに4年かかる場合もあります)

出席日数やテストの点数において基準を満たすことによって、進級や卒業ができます。基準を満たさないと全日制と同じく留年となります。

それに対して単位制は、どのようにして単位を取得していくのか自分で計画を立て、授業に参加していきます。つまり「決められた時間割」がありません。

4年で卒業できればいいという人はゆったりとした時間割を組むことができ、時には大学のように‶授業のない日〟もでてくることがあります。

3年で卒業したいという人は4年で卒業する人よりは密なスケジュールになり、全日制に近い授業スタイルになると思われます。大体1日5~6限授業を受けることになるでしょう。

高校を卒業する為には74単位が必要です。それをどのようなペースで取得していくか、またどのような時間割を立てるか、単位制では個人の自由です。

自分が何年間で卒業したいか、また不登校だった人などは学校に行く負担なども考えて時間割を決めていくことができます。

定時制の授業の難易度としては、基礎的なものであることが多いです。

しかし、その高校によっては‶大学進学を目指す〟といったところもあり、中には偏差値70以上という所もあるようです。

元々不登校だった子なども入学の対象としているため、まずは中学生レベルから始めるところが多い傾向にあります。

様々な理由で入学する生徒がいるため、きめ細かな指導が受けられるところが勉強面でのメリットです。

定時制は全日制より偏差値が低いという認識の人もいると思いますが、それは学校によっても異なってきます。

前述したように大学進学を目指す高校もありますし「とりあえず高卒の資格が得られればいい」という少しレベルが低めの学校も存在します

自分の将来に合わせて進む高校を選ぶのがといいと思います。

■定時制高校のメリットは?

★自由に使える時間が増える★

全日制と違って1日学校に縛られるわけではありませんので、空いた時間をアルバイトの時間にあてて収入を得たり、自分の趣味の時間に費やすこともできます。

また、何か資格を取ろうと思っている場合は、その勉強時間とすることもできるのもメリットです。さらに将来の夢のためにスキルアップを図ることに時間をかけるのも可能です。

★勉強は基礎から★

全日制では少しの間中学生の復習をしたら高校のレベルの学習に入りますが、定時制高校では学校に行けなかった子や勉強についていけなかった子も入学するため、まずは基礎をしっかり固めてくれます。

「定時制だから進学できない」というわけではなく、授業を受けるとともに自分で学習をしていくことによって大学進学・短大進学なども夢ではありません。

★少人数クラス・様々な年代の人がいる★

全日制では1クラス30人くらいですが、定時制高校では少人数でのクラス分けが多いです。

さらに大人も現役高校生の年齢の生徒も同じクラスになるため、もし「同じ年代の人とは話が合わない」と悩んでいても良い人間関係が築ける可能性があります。

■定時制高校のデメリットは?

★中退率が高い★

令和2年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、それぞれの中途退学率

・全日制……0.7%
・通信制……0.9%
・定時制……3.7%

となっています。

不登校だった生徒で学校に馴染めなかったという子や、勉強についていけなかった、校風・校則が合わなかったなどという理由で退学する生徒もいます。

もし定時制高校を選ぶ際は、必ず見学に行き、自分にとって通いやすい雰囲気か、また先生の生徒に接する態度や授業の様子なども確認しておくことをおすすめします。

★進学へのサポートが少ない学校もある★

前述したように、定時制高校の勉強はまず中学レベルから始まります

それから全日制の生徒に追いつくように勉強を進めていくのですが、ゆったりとした校風の高校では大学進学へのサポートが薄いところもあるようです。

ただ大学進学を目指した定時制高校もありますし、もし全日制が難しくても個人の努力次第では難関大学に合格することもできます。

「全日制に行くのは無理だけど、大学には進学したい」と思っていたとしても、その高校が進学にあまり力を入れていなかったら自分で勉学に励むか、学費をかけて予備校に行くなどしなければなりません。

そのためこういった点においても見学などに行き、学校の勉強の進め方や授業の難易度などを把握しておくことも必要なのです。

定時制に行こうと思われている方は、将来自分がどのような進路に進みたいのか、また自分のライフスタイルに合った学校生活が送れるのかなどをきちんと確認し、自分に合った高校を見つけてください。

気になる高校があったらまずは資料請求をしたり、見学会に参加してみましょう。

■通信制高校ってどんなところ?

全日制・定時制と同じく、卒業すると「高卒資格」が得られます。

しかし、全日制や定時制と違う所は‶自宅学習がメイン〟というところです。

もちろんスクーリング(実際に通学すること)はありますが、それ以外は郵送やインターネットを用いて課題を提出することによって出席の代わりとします。

一般的に、通信制高校は単位制を取り入れているところが多いです。主にレポート・スクーリング・テストをクリアすることによって単位が得られます。

全日制・定時制のような学年制のスタイルをとっていれば、単位が足りなければ留年することになりますが、単位制が多い通信制ではもしその年に単位が取れなくても次の機会に取得すればいいので、留年するということはありません。

★レポート★

通信制高校に入学すると、その高校の教材やタブレット端末で勉強を進めていくことになります。

もともとは冊子やDVDを見て勉強するスタイルが主流でしたが、最近ではインターネットの普及などもあり、タブレット端末を使って学習する高校も増えてきているようです。

またレポートの提出方法には郵送など様々ありますが、こちらもインターネット経由で提出していく高校が増えています。

★スクーリング★

全日制や定時制のように頻繁に通う必要はありませんが、通信制では決められた回数通学する必要があります。

このスクーリングの時に、自宅学習で分からなかったことなどを先生に直接質問することもできますし、クラスメイトとも会うことになります。

スクーリングの回数も学校により違い、週や月で何回通うか決められていたり、年に数回しか通わなくても良い学校などあります。

この点は学校によって異なってくるため、ただ「通信制だからここにしよう」というのではなく、自分にとって負担にならない回数か、またスクーリングの時に行われる授業内容もアートプログラムや体育など、普段の自宅学習では体験できないことも含まれるので、自分のレベルに合っているかなど検討するべきです。

通信制も定時制と同じく様々な事情を抱えた人が通っています。

例えば不登校だった生徒や、集団生活が苦手な人、全日制を中退した人、一度高校はあきらめたけれど高校に入り直した人などです。

通信制高校には「このような人しか入ってはならない」と言う決まりはないので「勉強がしたい」「高卒の資格が欲しい」と言う人なら、入試さえ乗り越えれば入学することができます。

入試と言っても書類審査や小論文、面接などを行う所が多いです。他にも何科目かを決められた時間で解くという場合もあります。

■通信制高校のメリットは?

★学費が安い★

全日制の高校と比べて学費が安いので、経済的な面では全日制の高校を諦めた方でも通いやすいと言えます。

公立の通信制高校なら3年間で10万円前後の費用を負担するだけで通えることもあります。(教科書代など別途かかることはあります)

しかも、制服代や部活に必要なユニフォーム代なども部活をやらない限り費用はかからないので、そこもメリットだといえるでしょう。

★自分のペースで勉強できる★

全日制ではクラス制で、みんな一緒のペースで勉強をすすめていくことになります。

しかし、通信制ならスクーリング以外は時間があるので、例えば「朝はアルバイトをしてお昼から勉強しよう!」などと言ったことも可能です。

また自分の好きな所で勉強ができるので、例えば音楽を聴きながら、テレビを観ながら勉強したり、あるいはカフェや図書館などで勉強するといったこともできます。

「音がある方が集中できる」と言う人もいると思うので、そこはメリットではないでしょうか。

全日制だと授業中、生徒は質問の他はシーンとしていて先生の声が響くだけですからね。

もちろん食事の時間も自由です。それに勉強中に好きな飲み物を飲みながら、ということもできます。

こういった時間・勉強する場所の融通が利くというのはいい点だと思います。

★卒業までのサポートをしてくれる「サポート校」制度★

通信制高校のメリットに「自分のペースで勉強できる」と書きましたが、これはデメリットにもなり得ます。

スクーリング以外は独学で勉強を進めていかなくてはならいため、途中で挫折してしまう人も少なくないのです。

そういった時に支援してくれるのが「サポート校」です。

サポート校でもコースが分かれていることもありますが、基本的には通信制高校と同時入学することによって勉強面などのサポートをしてくれます。

一般的にはサポート校は通信制高校と連携しており、同時入学することになるので確実に「高卒資格」を取ることを目指すことができます。

ただ、サポート校に入学するには別途学費が必要となるので要注意です。

サポート校に通うことによって、例えば「不登校だった」などという同じ境遇の仲間に出会うこともあり、良い人間関係を築くこともできるかもしれません。

また、クラスが少人数制ですので「集団生活が苦手」と言う人も安心して通うことができます。生徒一人ひとりに即したきめ細かい対応を行ってくれることもメリットです。

カウンセラーが常駐しているサポート校もあり、勉強面だけでなくメンタル面の支援もしてくれる場合があり、生徒にとって支えになると思います。

このように通信制高校に入学すると同時にサポート校に入学すると、勉強面での支援が受けられたり同じ境遇の仲間に出会い、充実した学校生活が送れるところがメリットだと言えます。

■通信制高校のデメリットは?

★自分で計画して勉強をしなければならない★

全日制の高校では時間割があるため、その時間割通りに授業を受けていき、テストや課題をこなしていけば単位をとることができます。

しかし、通信制では時間割がないため、自分で計画的に勉強を進めていかないと単位を取り損ねる場合もあります。

「自分のペースで勉強できる」というのはメリットであると同時にデメリットでもあるのです。

中学時代不登校などで学校の勉強に慣れていない人、自分で計画的に勉強していくのが困難な人はサポート校を利用し、勉強面での配慮を受けるなど工夫が必要です。

しかし将来の夢や活躍したい場面などが決まっていれば、通信制でも積極的に勉強をすすめていけるかもしれませんね。

★サポート校に通うと余分に学費がかかる★

通信制高校の学費は安いことが多いと前述しましたが、サポート校はコースや登校日数においてそれぞれの学校ごとにかなりの差があり、学費も初年度で20万円~100万円と幅があります。

個人の習熟度にあわせて勉強の計画を立てたり、カウンセリングによってメンタル面のサポートをしたり、専門のコースが用意されているなど手厚いサポートをしてくれるのが「サポート校」です

そのため、通信制高校の学費と合計したら全日制より高くなってしまう可能性もあります。

しかし、サポート校の中にもリーズナブルなところはあります。高校を卒業するための学習指導や、レポートの提出についての支援のみに絞れば、年間で30万円~40万円ほどにおさえることもできます。

ただカウンセラーなどの配置はないので、勉強に特化した配慮が必要な方に向いていると言えます。

この点は自分の経済力やサポートしてほしいことなどについてしっかり考え、利用するかしないか、また利用するとしたらどのようなところを利用するか決めるべきです。

★直接人と会う機会が少ない★

通信制は主に自宅学習なので、クラスメイトや先生といった仲間と会う機会も少ないです。

サポート校を利用していればそちらで人と関わる機会もありますが、通信制高校のみに通っている場合は、決まった日数しか周囲と関わる機会がありません。

前の学校で人間関係やいじめに悩んで通信制を選んだのならば「平気だ」と言う人もいるかもしれませんが、そうでない場合には孤独感や寂しさを感じてしまう場合もあります。

「コミュニケーション力が落ちてしまうんじゃないか」
「社会に出た時にみんなとやっていけないんじゃないか」

と不安に思う方もいるようです。

しかし、通信制では柔軟な部分もあり、もし孤独感を感じてしまうなら途中からスクーリングの回数を増やすということができる学校もあります。

もし「通信制に通いたいけれど人間関係も築きたい」と思うなら、学校見学などの際にそういったこともできるのか確認してみるといいでしょう。

■まとめ

以上、様々な学習スタイルについて綴ってきましたが、いかがでしたか?

どの学校にもメリット・デメリットはあります。しかし、全日制に通うことだけが「普通」ではありません。

筆者のように高校には行かずに高認を取り、大学に進学する人もいますし、定時制高校や通信制高校で自分のペースで勉強を進めていく人もいます。

定時制や通信制は時間に融通が利きますから、資格取得の勉強や自分自身のスキルアップの時間に充ててもいいと思います。

どの道を選ぶかは本人次第です。自分の人生なのですから、決定権は本人にあります。

将来「あの時、この道を選んでよかったなぁ」と言えるような進路に進めるよう応援しています。

著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。