働きたいけど働けない悩みの解決方法~就労継続支援A型とは~

障害者の就労
Karolina GrabowskaによるPixabayからの画像

精神障害身体障害知的障害がある方でも、「働きたい!」という意欲をお持ちも方もいらっしゃると思います。そんな方のために今回は、「就労継続支援A型事業所」という就労形態についてご紹介したいと思います。

■働きたいけど働けない状況とは?

働きたいけど、いきなり8時間は無理だなぁ
いきなり難しい仕事をするのは不安だなぁ
同じ悩みを持つ人と働きたいなぁ
朝早起きするのが苦手だなぁ

障害がある方は、誰もが何かしらの悩みを抱えています。でも、「働きたい!」と思っていらっしゃる方がたくさんいるのも事実です。

しかし、一般就労となると1日8時間ほどの長時間勤務であったり、体調が悪い時にも休む事や遅れていくことができなかったりと、障害者の方にとってはかなり厳しい労働条件の場合が多くあります。

そこで、一般就労とはまた一つ違った就労の形があります。いわゆる「福祉的就労」という働き方です。福祉的就労には、

就労移行支援事業
就労継続支援A型事業
就労継続支援B型事業

といった形態があります。その中でも、今回は「就労継続支援A型事業」(以下A型事業所)についてご紹介したいと思います。

A型事業所」というのを聞くのが初めての方もたくさんいらっしゃると思います。
簡単なイメージでいうと、「その事業所で働きながら一般就労に向けて訓練していく」イメージです。

次の項目で「A型事業所」とはどんなところなのか、ご説明したいと思います。

■A型事業所とは?

上にも挙げましたように、「働きたくても働けない」障害者の方はたくさんいらっしゃいます。今回取り上げる「A型事業所」について解説します。

A型事業所」とは、障害や難病のある方が雇用契約を結んだ上で障害に対しての支援を受けながら働ける場です。

対象としては、

企業等に就労することが困難な方であって、雇用契約に基づき継続的に就労することができる65歳未満の人
就労移行支援事業を利用したが、雇用に結びつかなかった人
特別支援学校を卒業したが、雇用に結びつかなかった人
就労経験があるが、現に雇用の無い人

などとなってきます。

A型事業所は施設と雇用契約を結び働く場です。その為工賃も最低賃金が適応され、最低賃金またはそれ以上の収入が保障されます。平均すると月6万円程度の収入は見込まれます。

他のメリットとしては、サービス管理責任者生活支援員など、専門のスタッフが常に職場に配置されるため、困ったことがあったときなどに相談に乗ってもらいやすくまた体調を崩したときなどに臨機応変に対応してもらえるというメリットがあります。

■A型事業所に通うための手続き

A型事業所に通う為には、まず市区町村の障害福祉窓口へA型事業所利用の受給者証の利用申請をします。また、実際に事業所を利用するには、障害者手帳又は医師の意見書が必要です。

全国にあるA型事業所は、どこもそれぞれ個性があります。カフェなどのホールスタッフやパソコンなどによるデータ入力代行、剃刀の袋詰めなどの軽作業など幅広い職種があります。

ここだ!」という事業所が見つかるように、様々なA型作業所をいろいろまわってみることが大切です。将来の自分につながる選択ですから、慎重に選びましょう。

働きたい事業所が見つかったら、まずは見学・体験をしてみます。事業所に連絡をし、双方の都合に合わせて日程を決めます。

見学・体験が終わり、「この事業所で働こう!」と思ったら、ハローワークに行き、紹介状をもらい、またその事業所の必要としている書類を持っていざ面接です

面接の結果、採用となったら、まずは「暫定期間」として約2か月間その事業所で働きます。その期間を経て、晴れて正式採用となれば、その事業所の利用者として認められます。

■就労継続支援A型まとめ

以上、簡単にA型事業所についてまとめましたが、いかがでしたでしょうか?
福祉的就労一般雇用と違い、「支援をしてくれる人」がいるのがメリットです。

何か困りごとがあるとき、相談したいとき、支援者の存在は大きいものです。豊富な知識とネットワークを持ったスタッフが、全力で後押ししてくれます。

そんな支援者の力も借りながら、自分の進みたい道、就きたい仕事に向けて、いずれは一般就労という形で働けるよう、スキルを磨いていくのもひとつの就労の形であると思います。

こちらはくじら雲情報局編集部がまとめた「就労継続支援A型事業所」のコラムです♪⇩

 

著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。