就労継続支援B型って何? 利用手順と作業内容について

障害者雇用
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障害などで働きたいけど一般就労はまだ難しい、そんな悩みを抱えていませんか?。何か方法があればやってみたいけれど何から始めていいのか分からない、この記事はそんなあなたに自分のペースで職業訓練を行っていく就労継続支援B型について解説していきます。

■事業所数は1万件以上 就労継続支援B型とは

就労継続支援B型とは、障害や難病をお持ちの方で一般就労の難しい方のための職業訓練を行う福祉サービスのことです。

雇用契約は結びませんが、体調や障害に合わせた時間帯や作業内容でマイペースに利用ができ、その中で軽作業を通し就労に必要な知識や技能を習得していくことが目的となっています。

利用条件は
就労経験はあるが、体力や年齢の問題で一般就労の困難な方
50歳に達している方
障害基礎年金1級を受給している方
上記に当てはまらない方で就労移行支援などでB型を進められた方
のいずれかに当てはまる事です。

特別支援学校などの卒業生であっても卒業後すぐに就労支援B型に飛び込むことはできず、就労経験や就労移行支援の相談が必要です。

年々、精神障害や身体障害などの障害者の数は増加傾向にあります。

事業所の数は2014年時点で8,722件であったのが、2017年のでは11,041件、利用者の数も2014年の時点で173,585人であったのが、2017年には258,357人と3年間で事業所の数は2,319件増し、利用者の人数は84,772人増しと障害者の増加に比例するように増加傾向にあります。

■何をするにもまず相談 就労継続支援B型を利用するための手順

就労継続支援B型を利用するにあたり、大切なことはまず主治医や市町村の障害福祉窓口、ハローワークで相談し就労継続支援B型事業所の見学と体験に行くことです。

作業内容はもちろん、その施設の雰囲気などは行ってみないことには分かりません。

WEBサイトで情報を得てから行動するのも良いことですが、それだけで決めてしまうと後から問題となることもあります。

いざ利用したいと思っても定員オーバーで利用が出来なかったり、利用してみたら厳しめの事業所でプレッシャーが大きかったり、和気あいあいとしすぎてうるさくて集中できないなど、自身との相性の悪さを感じてしまうこともあります。

家の近くだからとWEBサイトと見学時の印象のみで決めてしまい、相性が悪くすぐに辞めてしまうのも悲しいお話ではあります。

大半の事業所は見学の時点で少し相談などもしてくださるので、送迎の有無や1日の利用者の平均人数なども把握することができます。

見学の段階で気に入った事業所であればその場で体験の予約を取ってしまうのも一つの手段です。

通いたい事業所が決まれば必要となってくるのが「福祉サービス受給者証」です。

これは役所で必要な書類を書き、発行の手続きを行うのですが、必要な書類や持ち物はお住いの市町村によって異なるため、事前に相談してから出向くとスムーズに申請ができます。

また、通院をしている場合はサービスを利用することが可能かどうかを判断するのに主治医の意見が重要となります。
申請をするにあたって、もし主治医の了承の無い場合は申請が下りない可能性もあります。

その後、書類に問題がなければ認定調査が入り、担当の相談員とどのような時間帯で働くかを相談した後サービスの受給者証が発行されます。

受給者証が手元に来れば就労継続支援B型事業所で働くことができますが、受給者証の発行には1ヶ月ほどの時間を要することもあります。

一見文章で見てみるとややこしく感じてしまうと思いますが、各場面において細かい説明は入りますし、その都度今後どう動けばいいのかを聞くことでより円滑な申請をすることができます。

■平均月収15,603円 工賃と作業内容

作業は軽作業を中心としている事業所が多い傾向にあります。作業の一例としては部品加工衣類のクリーニング内職検品農業などと言ったものが挙げられます。

自身の障害や体力、向き不向きなどに合わせて作業が選べるので自分のペースで作業ができますが、どの事業所でどんな作業を受け持っているかというのは事業所によって様々です。

その為Webサイトでの情報収集や実際に出向き内容の確認や体験を行うことで、より自分に向いている事業所を選択することができます。

就労継続支援B型では雇用契約を結ばないので、最低賃金保障の給料という形では賃金が支払われませんが、成果報酬として工賃という形で賃金が支払われます

工賃の金額は事業所により異なりますが、2017年の時点で平均時間額は205円、平均月収は15,603円と最低賃金を大きく下回ります。

日本財団の実施した2017年の調査によると約28%の事業所が十分でない、そして約40%の事業所が工賃についてあまり十分ではないと回答しています。

しかし厚生労働省より2007年からB型の工賃向上の計画が実施され、2016年の時点で時間額199円、月額15,295円だった金額が翌年では上記の金額になったように年々増加傾向にあります。

作業の質を高め、より安定した運営を行うためのこの取り組みは現在も続いており、今後より工賃は向上するかもしれません。

■就労継続支援B型まとめ

就労支援B型の一番のメリットは、自分のペースで無理なく作業ができることです。

丸1日の利用はもちろん、午前のみや午後のみ、1日数時間や週何日などの細かい日時で対応も可能です。

又、作業内容も向き不向きに合わせて選ぶことが出来ます。

工賃の面で不満を感じる方も多くいらっしゃるとは思いますが、ここで労働に必要な知識や技能、生活リズムなどを作ることが出来れば、将来的に就労支援A型に移行したり一般就労を目指すことも可能です

くじら雲情報局では就労継続支援A型に関する記事も取り扱っておりますので、B型だけでなくA型のことも知りたいという方はぜひそちらもご覧ください。

 

くじら雲編集部