地域若者サポートステーション 働きたいけど働けない若者へ

地域若者サポートステーション
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みなさんは「地域サポートステーション事業」(サポステ)というのをご存じですか?これは、「働きたくても働けない」「面接が怖い」「仕事を続ける自信がない」などといった若者を中心にサポートしていく事業です。今回は、利用の対象となる方や、利用方法などについて解説していきたいと思います。

■サポステって何? 利用可能な人は?

地域若者サポートステーション(サポステ)は、ニート等若者の職業的自立を支援するために、地域の若者支援機関とのネットワークの拠点となる厚生労働省から委託を受けたNPO法人や民間企業などが運営しています。

主な対象者はこれまで15歳から39歳までの人で、仕事についておらず、家事も通学もしていない人とされていました。

そのうち、就職に向けた取り組みへの意欲があり、ハローワークにおいても就職を目標にできると判断された当事者と、その家族が対象となっています。

2020年度には「サポステ・プラス」としておおむね50歳の方までが対象となる相談事業が展開される予定です。

このサポステ・プラスの開始が決定された理由は、近年無業状態にある人の高齢化が進んでおり、当事者が若いころに就職の入り口で躓いたことが自立を難しくしているという現状があるからです。

以下のような理由でお悩みの方は、サポステが力になってくれるかもしれません。

働きたいけれど面接が怖い、働き方が分からない
長い間家にいたため、人と会うのが怖く、話し方が分からない
働いていたけれど、辞めてからブランクがあってまた働くのが怖い
仕事を始めても続けられるかわからない
履歴書の書き方や面接の受け方が分からない

などです。

支援内容としては、ハローワークなどでキャリア・コンサルタントが就職、生活場面についてアドバイスをしたり、就労訓練としてコミュニケーション訓練や、職場体験等の自立に向けた各種支援プログラムなどの様々なプログラムが用意されています。

その中から、自分が必要としているプログラムを選択し、自分のスキルアップにつなげていくのです。

このようなサポステは全国に177か所あり、ニート等の若者や無業者など一人でも多くの方が就職に結びつくよう支援体制がとられています。

■具体的にはどんな支援をしてくれるの?

それでは、サポステではどのようなサービスが受けられるのでしょうか?

サポステでは、専門家による総合的な支援が受けられます。

例えば、

履歴書の書き方や面接場面を想定しての指導
コミュニケーション訓練など職場で円滑に対人関係を築くための支援
キャリアコンサルタントなどによる専門的な相談
希望する職場での職場体験

などです。

学校や会社に行っていない方は、人と関わることに慣れていない方が多いと思います。そこで専門家によるコミュニケーション訓練等を受けることで、対人関係を円滑に築けるようにスキルアップしていきます。

コミュニケーション訓練のメリットは、「人と話す」ことに慣れる訓練をするということから、就職の際の面接のときにも柔軟に対応できるようになることだと思います。

希望する職場で職場体験ができるサポステもあり、その職場の雰囲気に実際に触れてみたり、「本当に自分に合っている仕事なのか」「自分の持っている能力でできる仕事なのか」を見極められる機会にもなります。

また、パソコン講座などの実用的なプログラムを行っているサポステもあり、実際に働くことになった時にもそのプログラムで学んだことを活かし、即戦力になることもできます。

自分が将来「こんな仕事がしたい!」と思う職場を想定して、様々なプログラムの中から自分のスキルを高めるプログラムを選んでいくことが大切だと思います。

また、苦手とすることや悩みなどによっては、支援員が適切な相談機関を紹介してくれることもあるので、気軽に相談してみてください。

■どうやって利用するの? 利用方法や料金など

具体的な内容はそれぞれのサポステによって違ってくると思いますが、利用までの大まかな流れを紹介したいと思います。

<1.予約をとる
サポステを利用するためには、まずは面接を行い、利用登録する必要があります。その為、メールや電話等で面談の予約を取りましょう。

<2.初回面談
本人、またはその家族と面談を行います。この時点で利用登録の手続きをします。登録に当たっては、身分を証明できるものが必要となってくるため、運転免許証や健康保険証などを持参してください。

登録手続きが終わったら個別面談に移ります。利用者は自分の悩んでいることや、どんな職を目指しているか、どんなプログラムに参加したいかなどを話します。

支援機関の側は、どんな内容の支援が受けられるのか、また用意されているプログラムなどについて詳細な説明を行います。

もし他の機関を利用したほうが利用者にとってメリットがあると思われた場合には、他の機関を利用者に紹介することもあります。

<3.就労活動の準備・各種支援
それぞれ利用者の希望に合ったプログラムや啓発セミナーを紹介します。上にも紹介したように、コミュニケーションの取り方を学んだり、履歴書の書き方など基本的なことから教えてくれるところもあります。

また、サポステに協力してくれる会社等があり、職場体験を受けられるところもあります。そのようにステップを踏みながら、徐々に就職に向けて準備を整えていきます。

サポステによっては、就労先決定後もフォローを受けることが可能な場合もあります。「就職後のことも心配だ」という方は、そういったサポステを探してみるのも一つの手です。

利用料は、原則無料となっていますが、プログラム等が有料なところもあるため、事前にチェックしておくといいと思います。

利用期間としては、原則6か月間とされています。しかし、サポステなどによっては6か月を超えても利用できるところもありますので、利用したいサポステに確認してからご利用ください。

サポステでは基本的に企業への直接のあっせんは行っていないところが特徴です。例えば、「自己理解を深める」「コミュニケーションを身に付ける」など就職に必要なことを身に付ける場として利用される方が多いようです。

サポステで力をつけてから、ハローワークなどで求人を探す、という方もいらっしゃいます。
いきなり就職するとなると、なかなか一歩が踏み出せないかもしれません。

しかし、サポステでコミュニケーションの取り方を学んだり、履歴書の書き方を教わるなどして基本的なことを身に付ければ、自信をもって就職活動に臨めると思います。

まだ働くことに抵抗はあるものの「一歩踏み出したい!」という方には、ぜひ利用して頂きたい事業です。

■地域若者サポートステーションについてまとめ

以上サポステについて紹介してきました。長い間家にひきこもっていたり、働くということから距離を置いていた方にとっては、就職活動をするというのはとても勇気がいることだと思います。

その為、サポステを利用する事でコミュニケーションを身に付けたり、礼儀やマナーを学んだり、また自分の働きたい企業で必要なスキルを身に付けることによって、自信がつくと思います

サポステを利用し、自信がついたら、ぜひ自分が挑戦したい道に進んでいってください。みなさんが生き生きと自分らしく働けることを願います。

著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。