ジェンダーレスって何?~広まりつつある‶中性〟の人たち~

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今回のテーマは「ジェンダーレス」について。

最近よく聞く言葉ですので、みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

例えば「ジェンダーレス女子」などといった言葉などです。

‶ジェンダー〟の意味は?と言いますと

‶生物学的な性別によって与えられた社会的、文化的差異〟

を指します。

いわゆる「男性らしさ」「女性らしさ」といったようなことですね。

しかし、最近は男性がメイクをしたりユニセックスの服が流行っていたりと「女性的な」とか「男性的な」といったファッションばかりではなくなってきました。

また「LGBT」と呼ばれる性の形もあります。ただ、少数派であるため差別の対象になることもあるのが事実です。

そういったことも含め「ジェンダーレス」についてまとめました。

■ジェンダーレスって何?


前述のようにジェンダーとは

男性や女性という性に基づいて身につけた、あるいはつくられた社会的、文化的差異


のことを指します。

「男性だから」「女性だから」といって社会的に求められる役割などのことですね。

ジェンダーレス」とは、そういった「男性だから」「女性だから」といったギャップをなくそう、男女の境界線を失くし「男性(女性)だから」といった差別をなくそう、といった考え方です。

前述のように、最近では「男性(女性)らしい」服装ばかりでなく「性の境界線のないファッション」をする人が増えていたり、男性でもメイクをする人もいたりと、「中性的な」人たちが増えているのも事実です。

「境界性のないファッション」というと「ユニセックス」と呼ばれる「男女兼用」の意味をもつ服も人気になっています。

また最近の男性K-POPアーティストなどには中性的なメイクをしている人たちも多く見受けられます。日本でも男性用のメイク用品があったりと、だんだん「男性(女性)らしい」という男女の境界線が薄くなっている気がします。

髪型もそうです。女性でもベリーショートにして髪を立てていたり、男性でも目が隠れるくらい前髪を伸ばして、マッシュのような髪型が人気だったり。

昔ほど「性」を意識したファッションは少なくなっていると言えるのではないでしょうか。

★もち猫の場合★


もち猫もどちらかというと「中性的な人」に入ると思います。好きな服のブランドもユニセックス(男性でも女性でも着られる服)が多いです。

またそのブランドのキャラクターも男性、女性どちらが着てもおかしくない個性的なデザイン。今はモノトーンが多いですね。

そしてもち猫は服屋さんに行っても、メンズコーナーも覗きます。あまりにも男性っぽさを出した服は着ませんが、中性的なものは何着も持っています。

どちらかというと、男性よりのファッションが多いかもしれません。

スカートなど持っていませんし、ピンクなどの可愛い系も少し苦手意識があります。

そのため、先ほど書いた好きなブランドのネットショップで服を頼む時も、大体ユニセックスのものを購入します。

また、メイクもあまりカラーは使いません。ファンデーション、アイライナー、アイブロウ、リップ、マスカラのみの色味を使わないメイクです。カラフルなアイシャドーや口紅などは使いません。

髪型もサイドと後ろは刈り上げのベリーショートです。気が向いた時にはスプレーで髪を立てたりしています。昔から、ロングにしたことはありません。美容院で髪を切るときに「こうして欲しい」と見せる写真も、中性的な人か男性です。

そのため、1ヶ月に1回は美容院に行き、短い髪を保っています。

もち猫も、「女性だから」という考え方には捉われたくない人間の一人です。

かといって男性になりたいわけでもありません。いわゆる「中性的な」人間です。

■ジェンダーレスの課題


ジェンダーレスは前述のように「男性だから」「女性だから」といったギャップをなくそう、男女の境界線を失くし「男性(女性)だから」といった差別をなくそう、といった考え方です。

以前よりは仕事上においても性差はなくなりつつありますが、保育園の男性の先生のことを保父、女性の先生のことを保母と呼んでいたように、同じ仕事をしている人たちに対しても性別で区別していたことが分かります。

また今ではランドセルもカラフルなものが多いですが、以前は基本的には女子は赤、男子は黒という風潮のようなものがありました。確かに色はあったのですが、多くの人がそうしているから、という理由でそうなっていたのだと思います。

そう言ったことを考えると、やはり昔は生物学的な性別で様々なことを区別していたことが分かりますね。

また、学校の制服についてもそうです。男子は学ラン、女子はスカートというように分けられていました。しかし、最近は‶ジェンダーレス制服〟が広まりつつあります。

例えばトンボ学生服では、‶性差を感じさせない制服〟が販売されています。女性でもパンツ姿の制服になる「スラックススタイル」や男女同デザインの「ブルゾン風ジャケット」などの制服が広まりつつあります。

ただ、まだ全国的には導入が進んでいないのが現状です。「女子の制服はスカートである」という考え方がまだ根強く残っています。

しかし、自分の性に違和感を感じている生徒にとっては、「スカートでなくてはならない」などといった凝り固まった考えは苦痛です。

男子でも「男らしい」パンツスタイルが苦痛な生徒は存在すると思います。

そういった生徒の為にも、ジェンダーレス制服が広まってくれるのを願います。

■ジェンダーレスについて理解しよう

ジェンダーレス社会を実現するためには、セクシャルマイノリティ(性的少数者)について社会全体が理解し、受け入れていく必要があります。

性差について理解していくには、学校や地域の若者教育などで性のあり方についての学びを取り入れていく、といったことも必要になります。

ところで、みなさんは「LGBT」といった言葉を聞いたことはありますか?

くじら雲情報局でも紹介したことがありますが、簡単に説明しますと

L…レズビアン(女性の同性愛者)
G…ゲイ(男性の同性愛者)
B…バイセクシャル(両性愛者)
T…トランスジェンダー(身体の性と心の性が一致しないため、身体の性に違和感を持つ人)

となります。

また、セクシャルマイノリティには

・男と女どちらも自分だと思っている
・男でも女でもないと思っている
・男と女の真ん中あたりにいるような感じ

といった自分の性を決められない、分からない人、そして男女どちらにも恋愛感情を抱かない、といった人もいるのです。性の形にはいろいろなものがあるのですね。

だからこそ「男らしさ」「女らしさ」といった固定観念を捨てていくことも必要なのです。

セクシャルマイノリティの人たちの中には‶自分の性的指向や性自認をカミングアウトして、自分らしく生きたい〟と思っている人も少なからず存在します。

しかし、セクシャルマイノリティに対する知識が広まっていないために

「カミングアウトすると変な目で見られるのではないか」

「否定的な反応が返ってくるのではないか」

と悩み、カミングアウトできない人がいるのも事実です。

職場や学校で自分の性についてカミングアウトした人は、2016年に実施されたLGBT当事者の意識調査によると、実際は15,064人のうち27.6%しかいないという調査があります。

また親へのカミングアウトは22%で、都市部ほどカミングアウトする割合が高く見られます。

このような数字を見ても、セクシャルマイノリティの人が自分の性についてカミングアウトするにはまだ社会の受け皿が整っていない、そして理解してもらえるか不安に思っている人も多いからカミングアウトできない状況にある、と言えるでしょう。

そういったことから、前述のように学校での性教育などによってLGBT(セクシャルマイノリティ)についての学びの機会を作り、幅広い性の形について周囲の人たちが知り、受け入れる精神を築くことが大切なこととなってくるでしょう。

本来、性や恋愛の形は個人の自由なのです。男性が男性を好きになったり、女性が女性を好きになったりしても何もおかしくありません。

ただ、そういった人々が少数であるといったことから、差別が生まれる原因になってしまうのです。

会がそういった恋愛の形や性の形を受け入れていけば、今「マイノリティ(少数派)」と呼ばれている人たちももっと生きやすい世の中になると思います。

■ジェンダーレスについてまとめ

世の中には決められた性の形や恋愛の形などありません。すべて個人の自由です。

ただそれがマジョリティであるかマイノリティであるかによって、差別が起きてしまう可能性があるのです。ただ、マジョリティが絶対に正しいというわけではありません。

セクシャルマイノリティ」と呼ばれる人たちにだって、恋愛をする権利も、自分の性について主張する権利はあるのです。

ただ、まだ社会に「マイノリティ」と呼ばれる人たちの受け皿が整っていないため、差別や偏見が生まれるのだと思います。日本では昔から「男らしさ」「女らしさ」というものが求められる傾向にありました。

ですから、これからはそういった固定観念を取り払い、「自由な性の形」を認めていく必要があります。

性や恋愛の形に対して「マイノリティ」などと呼ばれるものがなくなれば、と思います。

著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。